こんにちは。ブックマイヤー(@book_meyer)です。
今回は書籍「ファイナンス思考」の要約をします。
この本をひとことで言うと
日本企業は1年という短期の指標にとらわれず、長期的な目線で投資をしていくべきだ
この本の概説
この本は、失われた20年と言われている日本に対して、著者の問題意識と解決策を提示した一冊です。高度成長期では通じた日本企業の経営手法は、時代が変わり現在では使えないことが多いです。
現在の日本企業は、四半期や1年という短期間での単位で評価される損益計算書にとらわれてしまい、5年後、10年後という長期的に成長するという視点がない企業が多いと言います。このような思考を本書では「PL脳」と表現しています。
AmazonやApple、Googleのような企業が日本企業に現れないのは、このような短期的な思考の企業が多いからだと問題視しています。
日本企業は、このような「PL脳」に陥ることなく、Amazonのようにファイナンス思考で経営することを本書では提案しています。
PL脳とは何か
「PL脳」とは「売上高や利益といった損益計算書上の指標を、目先で最大化することを目的視する思考態度」のこと
※書籍「ファイナンス思考」より引用
PL脳は、「今」を重視します。
将来縮小していくのがわかっているが、今は黒字なのでその事業は売却せずにしたり、将来市場が拡大する事業だが、今期の損益を気にし、投資を控えたり削減したりと、どれも「今」を重視して判断してしまう思考です。
長期的に考えたら良い判断ではないが、銀行や投資家の目を気にし目先の利益を取りにいってしまうのだと言います。
ファイナンス思考とは何か
ファイナンス思考とは「会社の企業価値を最大化するために、長期的な目線に立って事業や財務に関する戦略を総合的に組み立てる考え方」のこと
※書籍「ファイナンス思考」より引用
ファイナンス思考は主に以下の3つの特徴があるようです。
評価軸
経営判断は、その施策が将来稼ぎ出すキャッシュフローを基準にしています。
時間軸
1年や四半期という短期での判断ではなく、その事業が収益化する期間での判断をします。事業はものによってサイクルは異なりますので早期に収益化できるものもあれば、長期になるものもあります。それらも踏まえた判断をしていくそうです。
経営アプローチ
「戦略的」であり、「積極的」であるといいます。
今ある事業を改善するという思考よりも、大きな目標の為に、研究開発やM&Aを積極的に展開し、必要なリソースを獲得していくアプローチを取ります。
ファイナンス思考の事例
Amazon、リクルート、JT、関西ペイント、コニカミノルタ、日立製作所のファイナンス思考の事例が紹介されています。見てわかる通り、ファイナンス思考で経営している日本企業が紹介されています。
まとめ
・PL脳に陥った企業は目先の利益を取りにいき、将来の利益を見逃している
・今後、日本企業が成長していく為にはファイナンス思考が必要
いかがでしたでしょうか。
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