こんにちは。ブックマイヤーです。
今回は「最強のデータ分析組織 なぜ大阪ガスは成功したのか」について書いていきます。
この本を一言で言うと
「会社や現場に役に立つ集団の作り方を実体験を元に書いた本」です。
この本はデータ分析についての学術的な内容を書いているわけではありません。大阪ガスのデータ分析組織「ビジネスアナリシスセンター」の部門長としてどうやって会社の中で信頼を築いてきたか、データ分析を通じてどのように会社に貢献してきたか、部門のメンバーを育てる上で実践してきたことなど、著者の実体験が書かれている貴重な一冊です。
データ分析組織を運営していく上で
データ分析は手段であり目的ではない
著者は大阪ガスのビジネスアナリシスセンターの部門長として、会社の現場業務の改革や経営の意思決定時のデータ分析で日々大きな貢献をしています。そこで大切にしていることは、会社や現場に「役に立つ」事です。データ分析は役に立つ為の手段にすぎません。
データ分析は「見つける力」「解く力」「使わせる力」の3ステップがあるといいます。まずは問題や課題を見つける力、現場担当者と密に連携し、分析対象を見定める力が必要になります。次に「解く力」実際にデータ分析をする力です。最後に「使わせる力」どんなに効果のある分析、精度の高い分析をしても使ってもらわなければ意味がありません。
使ってもらうには、現場の事や会社の事情を知った上でどうやったら使ってもらえるかまで考え、対応する必要があるそうです。ですので「解く力」で解が出たところまで達成したのと、実際に使ってもらっている状態では雲泥の差があるそうです。
今では大阪ガスのビジネスアナリシスセンターは社内外で有名な組織になっていますが、そこまでの道のりはかなり険しい道だったようです。この本を読んでいてひしひしとその苦労を感じることができます。また、立ち上げから18年という長い年月をかけて信頼を得てきたのは部門長である著者を始め、ビジネスアナリシスセンターのメンバーの工夫や信念があってこそだと感じます。
部門長として部下を育てていく
著者は管理職としてメンバーが成長できるよう以下のような工夫をしています。
一気通貫で任せる
データ分析は大きくわけて「見つける」「解く」「使わせる」の3ステップありますが、このすべてを1人に任せるそうです。担当の本人にとってはかなり厳しいですが、こうする事で個人の成果をアピールできる事や、仕事の厳しさや達成感を実感してもらう効果があるそうです。
成長するために学ぶ機会を設ける
データ分析の書籍を購入したりセミナーの機会など学ぶ環境を作り、メンバーの意識を高める工夫をしているそうです。メンバーのやる気次第で切磋琢磨できる環境を用意してあげる事で本人のやりたい仕事をアサインしてあげたい著者の思いを感じとることができます。
データ分析者だけでなく間接部門で働く方にもおススメな本
本書を読むと、データ分析の部門として、会社のため、組織のためにさまざまな工夫を知ることができます。組織のデータ分析者はもちろん、間接部門として働いている人にもおすすめな一冊です。なぜなら、このデータアナリシスセンターは全社横断で社内の問題解決をしている部署なので役割としては間接部門になるからです。
是非読んでみてください。
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