今回は書籍「天才を殺す凡人(北野唯我著)」の書評です。
本の概要
この本をひとことで言うと
「イノベーションを起こすには創造性を持った天才を活かす事が重要」
この本のタイトルでもある「天才を殺す凡人」とは、コミュニケーションの断絶により、大企業がイノベーションを起こせない構造(人間関係)の事を言っています。
組織が大きくなり、いわゆる「大企業病」を起こさない為には、本書に書かれている内容が役に立つのではないかと思います。
天才と言ってもどのような人の事を言っているのか、本書における天才を含めたタイプをざっくり紹介します。
天才・・・創造性のある人(新規事業といった新しい事に挑戦するのが得意)
秀才・・・再現性(管理部門やマネージャーなど組織拡大や利益改善が得意)
凡人・・・共感性(営業、マーケティング、広報、人事など多くの人に製品を広げるのが得意)
つまり、本書でいう天才とは、独創的な発想をする事ができ、イノベーションを起こす力がある人といいます。
※実際には100%天才、100%秀才、100%というタイプは稀であり、天才20%、秀才30%、凡人50%のように、個人個人がこの3つの要素を持っているといいます。要はどのタイプの割合が多いか、によるのです。
※本ブログでは省略しますが、3つのタイプの中間のタイプ、例えば秀才×凡人や、天才×秀才などミックスしたタイプも存在します。
ではなぜ天才は殺されてしまうのか、それは会社内では多数決で物事が決まってしまう事が多々あり、独創的な発想を持つ天才は往々にして大多数を占める凡人には理解できないといいます。
よって、人数の多い大企業でイノベーションが起こせなくなるのであります。
本書では天才を生かし、組織としてイノベーションの芽を摘むる事なく成長していく為の方法が書かれています。
今までのビジネス書ではなかった視点であり、組織に属する方が読めばおおいに参考になると思います。
気づきポイント
自分のタイプを知る事が出来た
自分は天才?秀才?凡人?それともその他のタイプ?自分はどのタイプなのかを考える機会を作ってくれました。他者を知る前にはまず自分のタイプを知ること、それにより役割に応じた適切な振る舞いをする第一歩になったと思います。
他者のタイプを知り、活用法がわかった
天才、秀才、凡人、3つのタイプの間でのコミュニケーションは中々理解し合えないと言います。
なぜなら、それぞれのタイプによりコミュニケーションの「軸」、主語が違うからだと言います。
タイプ別には以下の主語を使う事が多いようです。
1.主語を、人メインで語る人。凡人に多い。
2.主語を、組織やルールなどの、善意で語る人。秀才に多い。
3.主語を、世界や真理など、超越した何かで語る人。天才に多い。
※125ページより引用
ではどうすればタイプの違う相手と分かり合えるか、それは
相手の主語に合わせる事
相手が共感できたり、理解できる主語で話す事が有効だと言います。
意識して相手に合わせた話し方を実践していこうと思います。
所感
今回は書店で見てなんとなくタイトルに惹かれ買って読みました。この本は企業における天才の活かし方について書かれていますが、私の気づきポイントを見てわかる通り、個人的な人間関係にも役に立ち良かったと思います。
本ブログでは書きませんでしたが、天才、秀才、凡人を活かす事で組織にイノベーションを起こす環境を作る事ができるでしょう。
興味のある方は是非読んでみてください。
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